愛媛県で農業アイドルとして活躍していた大本萌景さんの自殺を巡る「愛媛ご当地アイドル訴訟」はついに第四訴訟(第一訴訟の被告側が原告と原告側弁護団を訴える)が始まりました。今月11日に開かれました記者会見の詳報です。今までの資料と合わせてお読みいただければ幸いです。
記者会見資料(1) (2)
2019年10月11日 午前11時から東京都内の司法記者クラブにて
幹事社「今回、Hプロからの裁判の提起は初めて?」
渥美弁護士「はい」
幹事社「事件番号を教えてください」
渥美弁護士「令和元(ワ)年27521 民事48部になります」
共同通信記者「別の訴訟と併合を求めたりすることは・・・」
渥美弁護士「第一訴訟なんですけど概ね双方の主張が出揃っていて、ご遺族側から専門医の意見書が出るということになっておりまして、人証調べに入る段階に入っております。そういったことで、併合はせずに、ということになるかと思います」
フリー記者「第一提訴の原告団の弁護士は被告側の渥美先生に(大本萌景さんの)スケジュールを確認させてほしいと、法廷で何度もお願いして、傍聴席から失笑が起きていたんですけど、もしかしたら、ひょっとして、これ、原告の弁護団がよく調べずに、一方的に、ご遺族の内容だけ聞いて、訴えられた不当提訴だということを先生は仰りたいのですかね」
渥美弁護士「その点については、ご遺族側の弁護団が、第一訴訟の提訴時に、全く、事前に何の連絡もなく突然Hプロジェクトに対して訴えられたのですが、その理由について、「真実を発見するために、何もまずは聞かずに訴えました」と、そういう内容の報告を、述べられておりまして、なので、そう言った意味では、事前の調査は、あまり、少なくとも、こちらに対する調査はされずに訴えられたということになります」
フリー記者「......」
渥美弁護士「この点は、この訴訟の関係では、先方が真実相当生の抗弁を立証出来るかという所に関わってくる問題になってくるかと思いまして、社会的評価を低下させる表現をした場合、その内容が真実であると信じるに足りる相当な理由がある場合というのは、不法行為が成立しないということになっているんですけれども、(原告側の主張とする)信じるに足りる相当な理由が、(今の状況では)なかなか認められにくい状況であるのかなと考えております」
記者クラブ記者「最後の資料4Pの(刃物を送って)実刑に処せられてというのは...被害届を出されて、裁判が開かれて、ということでしょうか?可能な範囲で詳細を教えていただければと。いつ頃判決が出た?(犯行は)お一人ですか?」
渥美弁護士「一人です。今すぐに資料が出ない。「こう言った判決になった」ということが被害者通知で来ています。判決は今年の7月31日に出ております」
記者クラブ記者「内容は」
渥美弁護士「内容は...包丁を送りつけてきたことです。手紙とともに包丁を送りつけてきた」
記者クラブ記者「実刑?懲役は...Hプロだけでなく?一件だけではなく?」
渥美弁護士「懲役は2年なんですけど、Hプロだけでなく、どこまで申し上げていいか」
記者クラブ「どこの裁判所ですか」
渥美弁護士「東京地裁」
記者クラブ記者「他の方にも脅迫しているのをまとめて?」
渥美弁護士「そこは確認してみないと」
読売新聞記者「メールですとか、イラズラ電話の件数とか、損害の算出の仕方について、教えていただければ」
渥美弁護士「損害の算定方法についてなんですけど、今回の求めている請求は、佐々木氏に対する精神的な損害という部分と、Hプロジェクトについては、社会的評価の低下自体による受ける損害について、金銭評価をしたという所の部分になります。名誉毀損による慰謝料の額を算定する時の考慮要素としては一般的に加害行為の動機、目的や名誉毀損の内容、事実の流布の範囲、伝播力、流布による表現者側の利益、とか、社会的評価低下の程度ですとか、被害者が被った経済活動や社会生活のおける不利益等があげられるんですけども、特に今回重視した点としてはですね、名誉毀損の内容は、過重労働やパワハラを理由に萌景さんが自殺したというショッキングなのもであること、社会的信用のある職業である弁護士が五名も関与して、大体的な記者会見されたということで、各種メディアによる報道も非常に大きく行われたと、事実の流布の範囲、伝播力ということですね、これらの結果、原告らの社会的評が大きく低下し、日常生活や会社の経営に多大な支障が高じたことに考慮して、金額を決めさせていただいたということです。メールの件数は...」
松永弁護士「メールの件数につきましてはだいたい、フルネームで分けると、10件ぐらい。ただですね、その中に全く同じ文面のものですね、50通くらい送られているのがあるんですね。「人殺し 会社社長が 責任とって首つれや 」という同一の文面のものが約50通近く送信されています。それ以外に... 約9通ほど、脅迫の内容のものが送信されておりましてこちら、裁判の方に訴状と一緒に証拠として提出しております。」
記者クラブ記者「約60通ということですか」
松永弁護士「訴状には一部については50通プラス9通ということで書いております」
松永弁護士「10月11日にちょうど一年前ですけども、この日から約二ヶ月後の、11月30日までに6件の脅迫電話ありまして、そちらボイスレコーダーに録音しております。脅迫電話以外にも無言電話が結構な数があったということで、件数は記録しておりません」
松永弁護士「これら以外にもハガキ、脅迫の文言が書いてあるとハガキであるとか、人の頭蓋骨の絵が描いてある年賀状であるとか、ゴミが送りつけられて、なぜか加湿器が会社の従業員に送りつけられてきたんですけども、加湿器と書いてあるのは伝票だけでして、中には中を開けてみると、ゴミが入ってるというのがありました」
フリー記者「被告の中に弁護団五人が入っておりますが、渥美先生の方に何か反応があったか?」
渥美弁護士「昨日、申入書、という形で送りましたが」
フリー記者「反応がございましたか」
渥美弁護士「特に何も...」
松永弁護士「会社員への嫌がらせついて。質問されてましたので、補足いたしますと、ナイフ、刃物送られてきた時に、同封されていた手紙がありまして、架空の偽名と、本人のものでない住所が書いてあったんですけども、昨年の10月20日付けで、「Hプロジェクト株式会社代表取締役・佐々木貴浩様」と書いてありまして本文が「愛の葉Girls・大本萌景を自殺に追い込んだようですが、必要な道具を同封しましたので、同じステージに行かれてはいかがでしょうか。」架空の実際には違った勤務先が書いてありましてどこどこの誰々だと書いてありまして「覚えておけ」という非常に恐怖を感じさせるような手紙が送られてありました」
松永弁護士「厳密には包丁でない刃物である可能性がありますので、報道される時は、刃物という形で書いていただければと思います」
フリー記者「いろんな方に送りつけてたわけですか?その方」
渥美弁護士「わからない」
松永弁護士「刑事事件の記録の方を、証拠として取り寄せて、この民事事件の証拠として、出すということはあり得ます。実際にそれをするかどうかどうわかりませんが、可能性としてはありえます」
フリー記者「(記者会見されたことによる)報道被害・反応の証拠として、ということですか」
松永弁護士「そうです。そのためにこういう刑事事件に発展したという形で主張することはあり得ます」
NHK記者「名誉毀損の中で萌景さんのお母さんの手記、この手記の中では、どういったものが内容が名誉毀損になるか」
松永弁護士「手記の中には、Hプロジェクトが、萌景さんに学業を行わせなかったことに関する下り。具体的には、過重労働の所とも重なるのですが、仕事との両立が難しく、事務所からは仕事を優先させるスケジュールを組まれていた事、そのために前期の登校日には八日間中、四日間しか行けず、四教科の単位を落としてしまった、後期に至っては一回も登校しなかった。こうして萌景さんが仕事の影響で単位を取れず、平成29年12月に通信制の高校を退学してしまったと、例えばこういうことが書いてあります。先ほど、渥美の方から申し上げていました通り、Hプロジェクトの仕事とか活動がすごく大変だったという事実はなくて、萌景さんは、仕事と特に重なってない日でも、通信制の学校の対面授業、スクーリ二ングを多数回休んでいたことが判明しております。高校から学習の記録を取り寄せております。ですので、怠けであるとか、サボりであるとか、そういったものと近いと我々は考えているんですけれども、お母様の手記ではあたかも、芸能活動が厳しかったために、学校に行けず、学習権が侵害された。というような主張がされておりまして、これが名誉毀損に当たると考えております。他の報道と、記者会見のような 重複する所ありまして、貸付の申し出の撤回であるとか一億円発言ということになります。これはまだ、ERAの HPに掲載されておりますので、内容を確認してただけるかとは思います」
記者クラブ「メールとか手紙とか、先ほどおっしゃっていたものは、包丁とか、会社宛に送られてきたのか個人宅と会社と混ざっているのか」
松永弁護士「先ほど、スタッフの方に、加湿器と称してゴミが送られて来た時は、会社宛に送られて来ました」
渥美弁護士「個人に対してというのもあるんですけれども。会社宛に。表に出てているのは会社の住所なので」
松永弁護士「ハガキも、大体の人はメールで送りつけてくるんですが、時々郵便物を送りつけてくる。
ハガキの中では、「人を殺した佐々木貴浩 発言、文章 人間として最低 同じ思いをするべき 国民の敵 国民は見ている 国民の前で謝罪しる(ママ) 人を殺して逃げるなよ 国民は見ている」というのがありました」
フリー記者「学費貸付(を撤回されて)で萌景さんは亡くなったんだと、多分、ご遺族側は主張されてると思うのですが、これ、16歳の女の子の高校に行きたいという学費を、ご両親が用意しなかったということがよくわからない。色々、主張対比表も読ませていただきましたが...萌景さんは再婚のご家庭でご実父、お義父様、お母様、(健在である)お姉さまは(成人して)働いていらっしゃる。ごく普通の一軒家にお住まいになっている。とても、極貧の家庭には思えない。学費を出さない。そもそも、その原点がよく、わからないのですが...」
渥美弁護士「ご遺族がわの主張は、お母様の手記なんかにある通りだと思うんですけど 我々としてもそれについて、納得のいく回答というのは得られてないと考えております」
フリー記者「むしろ家庭内のストレスで萌景さんは自殺に追い込まれた、という視点も出てくるとかは思うのですが、この話を聞いていると...」
渥美弁護士「第一訴訟で触れている話でもあるんですが、今この場で申し上げられる話ではない」
フリー記者「わかりました。ありがとうございます」
*******記者会見 終了********
記者会見で会見資料を読み上げる渥美陽子弁護士(右)と松永成高弁護士(左)
